舟廊下と観音堂
とはいえ、本殿の彫り物の素晴らしさは、さすが太閤さまの遺構の桃山デザインだけのことはある。
でも回廊好きの私が一番見たかったのは、じつはこれ↓
舟廊下ですよ! 朝鮮出兵の折りに使われた豊臣秀吉の御座船の用材を利用したという伝承から、「舟廊下」と呼ばれているそうだ。
この屋根といい、
ほんのりとカーブする桟の上枠といい、
ほどよく光をいれる桟といい・・・そう、この桟がなかなかに曲者。
菱形に嵌め込まれているのです。まるで安土桃山時代のブラインド。
桟のスキマから見上げれば、屋根の金具にも、すてきな花と唐草模様が。
あまりに廊下が好きすぎて、どきどきしながら渡る舟廊下。
渡りきった場所から入口を振り返る。舟廊下から奥は、観音堂へと続くやや暗い廊下。途中には授与品やお土産販売所も。
見上げれば、こんな彫刻も。
見下ろせば、こんな彫刻も。
天井にはよく彩色が残っていて、いかにも秀吉っぽい、桃山のゴージャスなポップさを目の当たりに。
観音堂(重文)も工事中なので、足場と獅子とのコラボ。出口は、秀吉を葬った京都豊国廟の極楽門を「唐門」(国宝)として移築している。こちらも豪華絢爛。
観音堂のご本尊の千手観音さまは33年に一度の御開帳なので、扉は閉ざされていた。そのまえには、びんずる尊者(おびんずるさま)がいらしたので、各自、よりよくしたい身体の部分をなでさせていただく。
そしてここで、帰りの舟を1本見送る時間に。
ということは、もう、焦ること無く、ゆっくりじっくりと、残りの行程を過ごせばいいということで。出航の汽笛を聴きつつ、次の目的地まで階段を登る一行であった。