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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

美観地区をぶらぶら その2

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

 一旦、アイビースクエアに戻り、館内の少しお高いレストランに入るかどうか、ちょっと迷った。でもせっかく素泊まりにしたのに、結局ここで食べると「負ける気がした」ので、負け惜しみに外へ出る事にする。

 この選択、後悔したり喜んだりと起伏に富んだ「その後」がある。これも知らない土地でのアクシデントという醍醐味。

すでに空腹にも関わらず、さっきの「蔵路地」にも迷い込んでみた。

 「神々の世界」に迷い込んだりはしなかったけれど、夕暮れの空気感で、なんともノスタルジックな気分になる。心は、子ども時代だ。

 青春な白シャツの若者たち。バックの明治の洋館とあいまって、雰囲気抜群。

 私も向こう岸に渡ってみよう。

 期せずして「倉敷民芸館」の前を通りかかる。明日行きたい場所なので、ちょうどよかった。

 とうに閉館時間を過ぎているので、門は閉ざされている。5時には閉まるが、ちょっと早い時間、9時にはオープンする。

 今は夏らしく、「ざるとかご」の企画展。うれしい、ザルもカゴも大好きなのだ。

 たそがれている倉敷もせつなくて、いい。

 と、のんびりとそぞろ歩きを楽しんでいたら、ばたばたと店じまいが始まっている!

 えっ!? 6時に食べ物屋さんが店じまい?? かきいれ時なのに?? 

 美観地区は伊達ではない。町並み保存のため、コンビニもないのだ。どーする!?

 

 と内心パニックになりつつも、沢山の張り紙にひかれて骨董品屋さんの前で立ち止まる私(笑) 今日は月曜日。夏休み中は、大原美術館も無休で月曜もオープンしていたのだ。

 しかし、お店は大原美術館にあわせ、ただでさえ月曜休みのところが多いのに、6時で閉店になるとは(汗) この骨董品屋さんも「ちょっと一休み」してはどうかといい、あまつさえトイレまで勧めているのに、お店は閉まっていた。

 そういうわけで、このお店での「出会い」も残念ながら皆無だった(悲)

 でも、そこを通り過ぎた角に、「一品料理」の文字が! う〜ん、酒房なので、お酒を飲まないといけないのか? いや、旅先で酔っぱらってる暇はない!(「この意見には個人差があります」) でも腹が減ってはイクサができないともいう。ここは真正面から正攻法で挑んでみた。

 のれんをくぐり、粋で元気な板前さんの「らっしゃい!」という声に答えて、「すみません、お酒はのまなくて、ゴハンだけなんですけど、大丈夫ですか?」と言ってみたら、逆に恐縮されて「定食屋さんじゃないから、割高になりますが、それでよければ」と、おかみさんの返事。ああ、もう、ゼンゼン!! ゴハンにさえ、ありつければ! それにしても、まるでドラマに出て来るような、威勢もカッコもいいお店のひとたちだ。

 こうして、私の初「ひとり居酒屋」の火ぶたは切って落とされた。とてもこざっぱりとしたお店で、おじいさん、おじさん、おばさんの三人が、アットホームに明るくおしゃべりしてくださった。おじいさんは寡黙な人だったが、彼はもうひとりの客であるお馴染みさんと、ぽつりぽつりと語らっていらした。

 青春18キップで5時間かけて滋賀県から来ました、滋賀県鮒寿司だね、とか様々に話をして、かなり美味しかった突き出しのあと、「滋賀県には、こんな新鮮な魚はないでしょう♪」と板前のおじさんが自慢げに、珍しい「サワラの刺身」が混じった注文の刺身の盛り合わせと、揚げ出し豆腐をだしてくださった。

 おばさんは、サービスの冷たい赤紫蘇ジュースと、たっぶりのおしゃべりを、おじさんがラストに、皮も食べられる高級マスカットを二粒、デザートにおまけで出してくださった。忘れていたけど、お味噌汁もサービスで。

 そこで私がありついたのは、おいしいゴハンと岡山の人情だろう。アルコール抜きのゴキゲンなディナータイムを、豊かに過ごす事ができたのである。

 魚料理のおいしい「八重」さんです。倉敷に来られた時には、是非ご贔屓に。