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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

怪談で素敵なコラボ

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 筑摩書房のサイトを見ていたら、うっとりするようなシリーズものを発見した。『文豪怪談傑作選』である。このラインナップが面白くて、泉鏡花は「うんうん」なのだけれど、吉屋信子の怪談って!?と意表を突かれるのである。それでなくても、え?三島由紀夫? 室生犀星? 森鴎外? なのだった。

 確かに柳田國男小川未明は、伝説や民話、メルヘンの部分でありえるかも・・・というのはある。でもそういう切り口ではあまり考えた事がなかったので、そういう編まれ方をしたものは面白そう。

 で、この傑作選の編集者でありアンソロジストで怪談専門誌『幽』編集長でもある東雅夫さんとカバー絵を担当した金井田英津子さんの対談がまた、芸を極めた職人同士のお仕事話で、たいへん興味深かった。

 金井田さんの絵は、一度見たら忘れられないインパクトがあって、しかも精緻で美しく、その上「いいちこ」のCMのように懐かしい。対談を読むと、全作品を読まれた上で、イメージを考え抜かれた絵なのだということがわかり、感動すらする。

 東さんはさすがにマニアックで、独自の視点をもっておられて文豪の見方なんかもユニーク。

 三島由紀夫のセレクトには「英霊の声」が「怪談」として入っていたり。『実は三島って、今の「萌え〜」とか言ってるオタクな人たちの偉大なる先駆者じゃないかというのが、持論でして(笑)』というのも、可笑しい。

 このシリーズ、カバー絵だけでもお値打ちだと思う。文庫だし、マニアックなセレクトが期待されるし。現在、「大人買い」したいシリーズ、ナンバー1だな。

(10巻以降も「太宰治集」「折口信夫集」が出ています)