日曜洋画劇場裏話
今日は『淀川長治の名画解説』のDVDをプロデュースした、テレビ朝日の福吉さんという方の淀川さんの思い出話を『ほぼ日』の『淀川おじさん』より引用。
(淀川さんは)「どんな映画にも必ずいいところがあるはずだ」っていう
姿勢はずっと一貫してましたねぇ。
‥‥しかし、なんて言いますか、
ほめるのが難しい映画も、正直、あるんですね(笑)。
とくに後期で放映したSF映画の未公開作品なんかは、
役者さんは無名で、監督も初めてだったりして。
「こんな有名な人が関わってます」という解説もできない。
これ、どうやってほめるんだろ、と心配してたら淀川さん、
「この映画の監督は○○○っていう人です。
はい、○○○っていう監督のこと、
実はわたし、よく知らないんですね。
でも、この監督は‥‥はりきってます!」
って、はりきってることをほめたんです。
みごとですよね(笑)、嘘はつかないんですから。
上映時間が長い映画もあれば短いのもあるわけですが、
番組の時間枠はある程度決まっていますから、
映画が短いときには解説の時間が長くなるんです。
淀川さんがいっぱいしゃべらなくちゃならない。
「エマニエル夫人」がそうでしたねぇ。
ほら、そういう映画ですから、
どうしてもテレビではカットせざるをえなくて、
だいぶ短くなっちゃった(笑)。
実は「エマニエル夫人」は僕が入社する前の放送で、
現場にはいなかったんですけど、
視聴者としてよく覚えてるんです。
9時から番組がはじまって、9時10分過ぎても
まだ淀川さんがしゃべってる(笑)。
入社後にきいたら「あれはたいへんだった」と。
タイトルにある通り、『日曜洋画劇場』の
40周年を記念してつくったDVDです。
身内で「40周年パーティ」なんかやらないで、
そのかわりにそのお金で淀川さんのDVDをつくって、
関係会社の人やお世話になった方々に配ろう、と。
そういう気持ちで出したDVDなんです。
そしたら思いがけず、一般の方々にも
買ってくださる人がたくさんいらして。
予定の4倍くらい販売されたでしょうか。
映画が1本も入っていないDVDなのに。
ありがたい、うれしい、と思うと同時に、
淀川さんの偉大さをあらためて感じます。
↑いい話じゃありませんか!
売るためのDVDじゃなくて、淀川長治さんへのオマージュと、お世話になった方々への感謝から作られたDVDだったんですね。