もうひとりの殊勲賞
Kちゃんが自分の部屋を片付けたら、使用済みノートが2基のタワーになっていた。1年生のときから、毎日こつこつ勉強してたもんなあ。
そういえばおばあちゃんが、「学問はじゃまにならへん。必ず役に立つ。てウチの母親がゆうてた」と昔いってたっけな。Kちゃんは勉強の要領は悪いし、受験テクニックも得意ではないけど、勉強したことは「身について」いる気がする。受験にはさほど活かせなかったとしても。敢闘賞ものだ。
そのおばあちゃんも、Kちゃんに負けず殊勲賞ものだ。ちゃんと生き続けてくれたのだもの。
途中、どんどん力が弱くなったり、食欲が落ちたり、歩けなくなったりして、どうしようかと真剣に心配したが、なんとかここまでたどりつけた。
卒業式の前日なんて、かなり調子悪そうだったから、「このタイミングはあんまりなので、神様お願い!」とずいぶんハラハラだった。神様はちゃんと願いを聞き届けてくださり、翌日はなんということもなく、おばあちゃんはいつものようにデイサービスに出かけてくれ、胸をなでおろした。
彼女のとりあえずの目標は、90歳までがんばって生きること。とりあえず、あと2年、がんばってください! そして2年後にはこっそりあと2年目標更新して、Kちゃんが社会人になるのを見てもらおうと思っています。目標の目盛りが細かいと、欲がでるからね。
とにもかくにも、毎日生きていてくれて、どうもありがとう、おばあちゃん。