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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

寿量院

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 仁王門をくぐっても、建物は見えずまたしても道が続いている。

 これが書写山書写山全体が境内ともいえる、みたいなことをロープウェイの案内で小耳に挟んだような気がするが、たしかにそのとおりだ。

 

 仁王門をくぐって、最初に右手に見えるのが「寿量院」だ。

 古くは、「無量寿院」と呼ばれ、承安四年(1174)には後白河法皇がここに七日間お籠りになり、観世音菩薩の加護を願われたという。

 現在の建物は江戸中期の建物で、蔀戸(しとみど)や中門などの寝殿造りの古い形式を備え、内部は床や違い棚のついた書院造りになっているそうだが、入れない。仏間を中心とした方丈と台所を設けた庫裡とを合わせた構造で、「十妙院」と共に「圓教寺型」と言われる独特の構造を持った塔頭なのだが、入れない。

 なぜなら。

 ということで、姫路駅ホームの立ち食い蕎麦でしのごうというセコい了簡で、精進料理をご予約なさっていない私は、入れないのである。

 しかし精進料理ご予約の方が入る道の入口には、案内を兼ねた魚板があり、これがなかなか味わい深いものだった。禅の仏教美術は、豪放磊落なシンプルさを旨とするイメージ、もしくはヒネリのきいた「のほほん」なのだが、これは禅というより、「民藝」の味わいがあるような気がする。

 朴訥としているのに、プリミティヴな荒々しさが、魚の口元に込められている。はげしく歯ぎしりをしているかのような口元をみていると、「まさか精進料理なのに、刺身にされるのでは!?」という疑念が、私の「寿量院に入れない悔し紛れ」を交えて湧き出すようもみえる。じっくりと民藝魚板を鑑賞してから、次に向かう。

 下り坂に入り、嬉しい気持ちで前方を見たら、驚くべき光景が目に入った。

 犬連れ!? しかもトイプードル!? 

 こちらにお住まいの方なのか?

 それとも山麓にお住まいで、ここまでロープウェイに乗って、犬の散歩なのか? もしかすると、犬ひとりに留守番をさせるわけにもいかず、仕方なしに同伴旅行なのかもしれないのだが・・・シュールな光景だ。書写山、恐るべし!

 だが、書写山でのシュールな光景は、今後もまた目にすることになるのだが、それはまた後日に。書写山は、まさに面白過ぎるワンダーランドだ。