以前の「紙魚子の小部屋 パート2」はこちらhttp://blog.ap.teacup.com/tanukitei/から、 その前の「紙魚子の小部屋」はこちらhttp://ivory.ap.teacup.com/tanukitei/から。

紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

恵文社一乗寺店/本丸

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

 恵文社一乗寺店は、レンガの壁と一見ブティックかとみまがうようなおおきなウィンドウがある、ちょっとレトロな外観。かわいくてお洒落な本屋さんだ。かわいくてお洒落だけど、一筋縄ではないことは、事前研究済み。というか可愛くてお洒落なだけなら、わざわざこれだけのために来たかどうか。

 建物は横長で、何室かに区切られている。学校で言えば隣の教室に行くみたいに一部屋ごとを見て歩ける、まるでちいさな美術館みたい。2時間近くいたけど、あまりの楽しさに疲れを忘れる。

 ところで入口近くの壁に、いきなり帽子がアトランダムにディスプレイされていた。もちろんこれも商品である。本だけでなく、雑貨や洋服、文房具なども販売しているのだ。

 ディスプレイに使っている小物も素敵。珊瑚や鉱物標本やランプなどが、さりげなく効果的に配置されている。

 内容別にコーナーがあり、最初の部屋の手芸関係や食の本の充実ぶりと、セレクトのマニアックぶりに圧倒される。大型一般書店でも見た事のない本が、見た事のない並び方で棚にあるのだから、テンションがあがりっぱなし。

 たとえば食に関してなら、エッセイも小説も料理本も食品関係も栄養学も食文化もまとめてズドン!と投入されているので、客としてはたいへん楽しいが、管理する人たちは大変だろうな。本を探すときには、どうしているんだろう? と、ついお仕事視点でみてしまって余計な心配をしてしまう。

 ほどよい暗さに丸い裸電球がいくつもぶら下がり、それがなんとも居心地よく懐かしい。マニアックな本屋には、マニアックな人種が出入りするが、ここにはマニアックさを後ろ手にした、おしゃれで知的な人たちが徘徊している。もちろん店員さんたちも、残らずおしゃれ、かつ知的である。

 例外的に、おしゃれでも知的でもないのに、気後れする事なく徘徊しているのが私だ。 

 ありきたりな普通の本屋さんでもなく、とても疲れてしまう大型書店でもなく。独自でオリジナルな本屋さんを、自分がいかに渇望していたかを思い知った。と同時に、あらためて近江八幡にあったイシオカ書店の希少価値と貴重さを思い知る。

 たとえば恵文社を目指している本屋さんや雑貨屋さんは、いくらもあるだろう。たしかに恵文社は素晴らしいけれど、といって同様の物を目指してはダメな気がする。

 その点、イシオカ書店は完全オリジナルだったし、自分の趣味を全開にしつつも、客との双方向で棚を作ってらした点が素晴らしかった(そして客の好みを完全把握して、来店時にオススメ商品を超プッシュするところとか/笑)

 恵文社一乗寺店は、素晴らしいオリジナルな本屋さんで、それは接客にも現れている。折しもレジに立ち寄った頃雨が降り出した。本を入れた紙バッグに、上からビニールをかけていただけて、たいへん感激だった。

 ここで買ったものについては、また後日。