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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

野の宮神社へ

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

 天龍寺北門を出ると、やや鬱蒼とした小径に出る。

 両側に小柴垣や竹垣があり、その向こうはすぐ竹林。

 人通りがなければ、それこそ「ちかん注意」の道になりそうだけど、何せ嵯峨野。

ロマンチック京都を求める観光客で溢れている。とくに海外からの人の多い事! 日本語を耳にする方が少ないかも。

 そんな場所でも、たまに人がきれると、竹の静寂なささやき声を聴いてのそぞろ歩きもできる。

 野の宮神社って、嵯峨野めぐりの起点だったんだ? そういえば、ここからは化野念仏寺や落柿舎、大河内山荘二尊院など観光名所が目白押しらしい。

 10月の第3日曜日には、古式ゆかしい「斎宮行列」があるそうだ。「斎宮」とは、天皇が新たに即位するごとに、天照大神の御杖代(みつえしろ)として伊勢神宮に遣わされた斎王(未婚の内親王もしくは女王)のこと。

 斎宮に任命されると、1年間ほど仮宮(野宮)にて潔斎生活をすることになるらしい。

 南北朝の争乱で後醍醐天皇の時代に制度はなくなったが、ここは野の宮「神社」として後世に残された。

 さすが嵯峨野めぐりの起点らしく、明治時代かと思う程、人力車率高し。

 お客は若い女性(複数)、外国人率高し。車夫には体力以外にも、容姿、英語力、おしゃべり力、観光案内力が求められる。

けっこうハードルの高い仕事なのである。

 源氏物語ゆかりの地でもあるので、源氏ファンには押さえておくべき場所だ。

「賢木(さかき)」の帖で、六条御息所の娘が潔斎生活を終え伊勢に下向する直前に、源氏が六条御息所に会いに野宮を訪ねる、という場面があるらしい。

 木の皮のついたままの「黒木の鳥居」も小柴垣も、ちゃんと物語の中に記されている。

 この時期(6月後半)には、年の前半の穢れをはらう「茅の輪くぐり」もできる(6月30日まで)。

 鳥居は「くぬぎ」、小柴垣は「くろもじ」だ。「くろもじ」はお茶の席で和菓子を切り分ける先の尖った楊枝に使われる樹木。枝や根は薬用にもなり、「養命酒」を作る際にも使われているらしい。

 「野の宮神社」は「源氏物語」だけではなく、謡曲、和歌、俳句など、ひろく題材にされているとか。

 縁結びや子宝安産祈願の神社だからほぼ関係ないし、鳥居メインで来たとはいえ、せっかくなのでお参りも。