イメージの力 魂は空にむかう。
以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。
本物の作品をリアルな空間で見ると、もちろん写真や動画でみるのとはまったく違うパワーを感じるが、今回の展示はとりわけそうだ。常軌を逸して長いもの、大きいもの、背の高いものがたくさんあるのだ。「大きさ」を実感するには、展示室に入って驚いてもらうしか無いと思う。
とくに葬送のための柱を展示した部屋は必見。
(「イメージの力」パンフより)
インドネシアのアスマット族が、精霊堂の前に立てる「ビス」。柱の最上部にいるのが死者で、祖先のいる異界へ送るための葬礼で使用されてきたという。この高さには、ちょっと言葉を失う。
(「イメージの力」 図録より)
オーストラリアのティウィの人々の墓標「プカマニ・ポール」は、いかにもアボリジニらしい可愛い模様が渋い色合いで入っている。こんな墓標ならうれしいのにと、自分用にリクエストしたくなるほどだ。
(「イメージの力 図録より)
死者の魂は空に向かうという世界観は、「にんげん」全般に共通したものかもしれない。
たとえ地面の下に埋葬されたとしても、なぜか視線は上に向かい、空を仰いで、亡くなった魂に呼びかけてしまうものだから。