以前の「紙魚子の小部屋 パート2」はこちらhttp://blog.ap.teacup.com/tanukitei/から、 その前の「紙魚子の小部屋」はこちらhttp://ivory.ap.teacup.com/tanukitei/から。

紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

清浄華院にて

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

さて、まずは門をくぐってすぐ左手にある不動堂へ行き、平成23年に作られた半丈六不動明王坐像をみる。

 江戸時代には、波除不動の伝承を持つ平安時代作の不動明王立像がお祀りされていたらしいが、現在は秘仏とのこと。

 このお堂で興味深かったのが、ニットのカバー付き法螺貝↓

 おもわず撮影してしまいましたよ。

 それから帰り際に、堂内よりリズミカルに太鼓の音が繰り返しきこえていた。たいへん気になったので覗いてみたら、年配の女性ふたりが、かたや教える人、かたや教えられる人となり、熱心なパーカッションを繰り広げられていた。護摩供養の練習か?

 不動堂を出て、境内の紅葉をかいま見て、思わぬものを発見する。創建以来の清浄華院の鎮守、山王権現社だ。

 現在は法然上人をかかげた浄土宗のお寺なのだが、もとは天台宗の慈覚大師円仁が『宮中(天皇の住まい)』に禁裏内道場として建立したのが始まりである。

 その慈覚大師が勧請した鎮守が、比叡山天台宗の守護神である山王権現なのである。なるほど。平安時代はお寺も神社もミックスだからなあ。この神様はこの仏様の化身、という本地垂迹説だってあるくらいだ。神仏習合なのである。

 法然上人をお祀りする大殿(御影堂)の前のテントで拝観料を支払いチケットを購入。名前が違うだけで、冷泉家入場チケットとデザインは同一。非公開文化財特別公開は、経費節減のためデザイン統一チケットなのかも。パンフはない。購入しないともらえないのだ。う〜ん。

 大殿の中はやはりピカピカの菊模様の花盛りだったが、明治以降は「皇室と同じ菊の紋とは畏れ多い」というわけで、葉っぱが付くようになったそうだ。アダムとイブか〜?とこっそりツッコんでみる。

 ↑大方丈では阿弥陀三尊像を見るが、記憶に残らず(悲)

 最後に普段は国立博物館に寄託してある宝物の数々を見る。数あるなかで、私の見たいのはひとつだけ。

 国立博物館で開催された『大絵巻展』のときにみた『泣不動縁起絵巻』の安倍晴明の場面に再会したかったのだ! 

 正確に言えば安倍晴明はどうでもよく、彼が呼び出した愉快な式神たちに再会したかったのである。

 ところが博物館と違いスペース的に限られた寺院では、長い絵巻を一場面だけ公開することになっているらしい。とはいえラッキーなことに、今回公開されていたのは、ジャスト安倍晴明式神の部分! やったっ!! つれのNさんにも大ウケ。やはり、ホンモノは超かわいくて愉快なやつらだった。行った甲斐があったというもの。

 絵巻のある場所にあった購入出来る絵はがきの見本では、安倍晴明の場面のみ「売り切れ」と表示されていたが、諦めきれずに別の場所にある販売所で訪ねてみた所、残り僅か的反応ではあったけれど、めでたく入手できた。大人気の場面なのだ。うれしい。やはりみんな、あの式神たちに惚れてしまうらしい、ということも判明した。

 こうして不動堂から聞こえるリズミカルな太鼓の音に送られて、ほくほくと清浄華院を後にし、となりの廬山寺へ向かう。