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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

読書

修行僧、あるいはガキ

『垂直の記憶』は何の期待も無く、課題本という義務感だけで読み始めた。ところがこれが、思わぬホームランに。 「のぼる」ためだけに生きる人、山野井泰史さん(と妻、妙子さん含む)の7編の記録。ソロクライマーで、ほぼ単独で酸素ボンベなしに、超難易度…

読書会で開眼。

さて昨日の話。 夏休みで8月は休会月だったので、2ヶ月ぶりの読書会だ。課題本は山崎豊子さん『運命の人』。文庫版で全4巻のうち3・4巻だ。 正直1〜3巻までは、なんだか作者の筆のノリが感じられず、読むのもひと苦労だった。 この感じ、森絵都さんの…

『戦争がはじまる』

いつも読みかけで感想を書いてしまい面目ないのだが、いつ読み終えるのか、そもそも読み終えることができるのかもわからないので。 3日前に福島菊次郎さんのフォトルポルタージュ『戦争がはじまる』を、元職場へ借りに行った。やはり誰も借りていない。マイ…

ブックス・メガラニカ

辺境作家あらためノンフィクション作家、 高野秀行さんのブログを昨年より毎日チェックしている。最近、大変気になった記事が宮田珠己ことタマキング氏の新刊、『はるか南の海のかなたに愉快な本の大陸がある』(本の雑誌社)についての書評だ。そして高野さ…

さよならは言わない。

どういうわけかスルーしてしまっていたが、先週H氏に教えてもらった。 「あんたが好きな作家死んだで。パソコンの横の本棚に並んでたの。ブラッドベリやったっけ」 ああ、そうなんだ・・・とばたついているうちにダウンしてしまって、気がつけば彼が亡くなっ…

濃すぎます!

図書館に行って必要な本以外に、うっかり池田澄子さんの『あさがや草紙』も借りてしまう。これは句集ではない。とても短いエッセイ集だ。 3p読んだ時点で息切れがした。酸欠ではない。逆に酸素が濃過ぎるのだ。ひとつひとつのごく短いエッセイが、極上の濃…

この本なんの本、気になる本♪

広告や紹介やレビューだけ読んで、まだ手にとってもいない本のことで恐縮だけど、ものすごく気になる本があった。県内でおでかけした先の本屋さんで探したけど、いまだついに見つからず。 この3月の新刊である。 タイトルは『股間若衆―男の裸は芸術か―』 木…

グラスホッパー読了

今日の読書会の課題図書は『マリアビートル』で、この日のために昨日やっと読了したのが『マリアビートル』の前日譚にあたる『グラスホッパー』だ。 『グラスホッパー』を読了した後、もいちど『マリアビートル』の「あさがお」の部分を読み直すと・・・ああ…

寒日に只おもしろき句集読む

先週の金曜日に見た『週刊ブックレビュー』で、とても気になった俳人、池田澄子さんの句集を読んでいる。これがたいへんよろしい。読んでいると、どうにも浮き浮きしてしまう句集だ。毎日を生きている日常のなかの、ちっぽけなディテールこそがとりわけ楽し…

『マリアビートル』読了

先週は確信犯的に読書の時間をつくり、伊坂幸太郎/著『マリアビートル』をガガッと読了した。快挙だ。 伊坂さん、大好きなのに、最初は読了できるか不安で不安で。 というのも、読み始めて初めて知ったのだけど、これ『グラスホッパー』の続編?じゃないで…

読書の記憶の箱 その2

きのうの続きです。 昨日書いたように『小さい魔女』には、ちらっと「やきグリ売り」の人が登場する。本では「栗」ではなく、ドイツ風に「マロニ」と呼ばれていた。春雨もどきの「マロニー」も知らず(まだなかったのかも)、「麻呂に」というおじゃる丸言葉…

読書の記憶の箱 その1

きのうは、あまりに寒かったので、靴下を重ね履きした。さらに靴下カバーも。 それを脱ぐ時にふと、昔読んだ本のなかに「重ね履き」する話があったっけ、と思い出す。ええと。 プロイスラーの『小さい魔女』だ。大のお気に入りの、子どもの頃の蔵書だ。何回…

『負けんとき』

なんだか関節が痛くて熱っぽい。そういえば『日吉の神と祭』を見に行った翌日もそうだったっけ。『神仏います近江』を見に行くたびに、寝込むくらい調子がわるくなるのは、何故? 神仏あたりか?? 知恵熱ならぬ神仏熱。辛いが『ありがたい』ことなのだと思…

こんにちは江國香織さま

江國香織さんの『抱擁、あるいはライスには塩を』をやっと読み始めた。 実は江國香織さんは、なんとも読まず嫌いで、今回は読書会の課題本になったればこその、初・江國香織体験だ。 なんで読まず嫌いだったかというと・・・彼女のオシャレでスタイリッシュ…

白熱読書会

今月は私の担当で、しかもふたつの読書会(PTAの読書会とそのOB会)の合同での読書会なので、特別編だ。両方の読書会に所属しているので、私が担当するのが一番スムーズかということで、自主的に担当している。テキストは『しずかな日々』椰月美智子/著 繊…

最近の読書

電車に乗る機会があったり、病院の待合室で待たされたりすることがしばしばあるので、少しだけ読書量が増えた。いや、ほんと、微々たるものだけどね。 夏以降に読んだのは 椰月美智子 『しずかな日々』(講談社文庫) 小学5年生のパッとしない男子が、母子…

『リアル・シンデレラ』

今日は読書会に出席。メンバーの出席率もよく、サンデル教授の授業以上に白熱して盛り上がった。 課題本は滋賀県出身の作家さん、姫野カオルコさんの直木賞候補だった『リアル・シンデレラ』。姫野さんのエッセイは好きでいくつかは読んでいるのに、小説は初…

『A3』とあの時代。

ということで、たかだか30分ていどの「おでかけ」の話を、5日間に渡って繰り広げてしまった。 ところでこの「近江商人屋敷」の3館共通チケットは600円だった。これがお買い得でなくてなんであろうか。30分の駆け足で見て、これだけの収穫があったの…

読書会@小さいおうち

昨日、怒濤のごとく部屋に籠ってラストスパートをかけ読みふけった『小さいおうち』の読書会に参加する。とにかく何をとっても素晴らしい作品なので、要所をメモるときりがなく、「ざっくり」と感想を述べる。「ざっくり」でさえ素敵な部分がありすぎて、い…

小説の名手

小説の名手、という言葉を久しぶりに思い出した。 次回の読書会の課題本が中島京子さんの『小さいおうち』で、ご存知直木賞受賞作品。現在鋭意(?)読書中なのだが、これがもう、じつに巧い!旨い!上手い! あまりの素晴らしさ面白さに、ひれ伏しながら読…

衝撃。

今日は私が当番の読書会で、課題本は高野秀行/著『異国トーキョー漂流記』。とても軽い読みやすい(でも実は重い片鱗がある)本なので、はたしてみなさんの読後感想は?とヒヤヒヤものだったのだけれど、なかなかな盛り上がり方だったので、一安心だった。 …

バラの名前ふたたび

図書館で借りて来た『Rose Book バラ図鑑625品種(『花時間』特別編集)/角川マガジンズ・発行)で、カラー別に並んだバラのポートレイト(?)写真を見て、あれ?と思った。 名前のうしろに「+」のつくバラがあるのだ。「キングスプライド+」「プリマド…

宮田さんのホームラン!

4月から「週刊ブックレビュー」(BSプレミアム)が土日の早朝OR深夜枠に移ってしまい、私には視聴が難しくなった。睡魔には勝てない。しくしく。 しかし早朝でも深夜でもない時間枠で、ラストチャンスの再放送があるのだ。金曜の正午である。自由人以外には…

「テルマエ・ロマエ」、グレードアップ!

1週間前(発売日!)に買ったことは買ったのだけど、なかなか一気読みができずにいた『テルマエ・ロマエ』の3巻。やっと読み終えました。 いや〜〜、風呂ネタだけでどこまで続くのか?と、実は不安だったのだけど、見事に裏切られましたね。これは、何度も…

やみあがりにつき

今日は寒いのと、病み上がりなのと、買い物も病院も行かない引きこもりデーのため、溜まりに溜まっていた新聞を気合いを入れて、よーいどん!で読み続ける。 3月31日〜4月9日までの日経新聞に目を通し、さすがに目が疲労する。でも日経はたまにディープ…

久々の居場所

午前中は、朝家事を大急ぎで片付けた後、ほぼ半年ぶりに読書会参加。 ほとんど幽霊会員と化していたこの3年間だったけれど、やっと戻ってこれました!というホームカミングな気分がうれしい。同様に迎えてくださった懐かしい会員の方々のあたたかさに、涙が…

ついにストーカー?

あんまり好きになると「おっかけ」をし、「まちぶせ」をしてしまうことがある。 現在私は、高野秀行さんのブログチェックは欠かさない。しかも読む度に面白くてためになるため、プラスアルファで高野ツィッターも追いかけている。もう完全なストーカーです。…

うれしい便り

先週、福音館書店のメールマガジン「あのねメール通信」が届いた。そのコンテンツの中に「『菜の子先生の校外パトロール』の作者、富安陽子さんのエッセイ」というのがあった。 一瞬、目を疑う。えっ!?『菜の子先生』のシリーズって、学期別で3学期分で終…

『テルマエ・ロマエ』を買う。

ずっと前に新聞記事だったかでマンガ評を読んで、「このマンガ、ゼッタイ、面白いはず!!」とエキサイトしていたのに、その後すっかり忘れてしまっていた。きっと年齢に正比例してカタカナ語は忘却しやすいという法則にのっとっていたのだ。だってタイトル…

『皿と紙ひこうき』

お仕事でYA向けのレビューを書かなければならず、10日ほど前、YA棚を物色していたとき、たまたま目にした石井睦美さんの『皿と紙ひこうき』を手にして読んでみた。 石井睦美さんは『卵と小麦粉それからマドレーヌ』以来の2冊目だ。『卵』を読んだのは5年…